コードバン財布に”クリーム”でのお手入れは必要なのか?!

コードバンのお手入れ

コードバンのお手入れ用クリーム

本革財布というと、必然的に日々のお手入れが欠かせない・・と思っている方も少なくないものと感じています。高価なコードバン財布ともなれば、尚更、お手入れ・メンテナンスの重要性を感じてしまうのかもしれませんね。

【基本情報】コードバン財布のお手入れ&修理

コードバン財布のお手入れとして「クリーム」の必要性は?

コードバン財布のお手入れとして「クリーム」の必要性は?

財布のメンテナンスアイテムとして、実際に「コードバン専用のお手入れ用クリーム」が販売されています。

また、コードバン財布を購入した時に、そのSHOPから、財布のお手入れ方法などの情報として、”お手入れ用クリームの活用”を勧められるケースも多々あるものです。

そういう状況を考えると、コードバン財布を活用する上で、定期的に”クリーム”を使用したお手入れが必要なのかな~と思ってしまいますよね。

でも、結論からお話すると、コードバン財布に何か大きなダメージや変化(主に革表面の毛羽立ち)がない限り、”クリーム”を使ったお手入れは必要ないものと考えています。まあ、一般的なメンズ革財布においても、あまり頻繁にクリームでのお手入れは、する必要は無いと考えます。

コードバンを曇らせてしまう3つの原因

コードバンを曇らせてしまう3つの原因

コードバン財布を艶を失わせ、曇った表情となってしまうのには、下記3つの原因があります。

1)不適切なクリームの使用(種類、回数)
2)コードバンの毛羽立ち
3)コードバン表面の細かなキズ

それでは詳しくお話してみたいと思います。

1)不適切なクリームの使用(種類、回数)

水染めコードバンに余計な成分を与えすぎると”艶感”が失われてしまいます。
【対象】水染めコードバン財布、オイルコードバン財布(シェルコードバン)

CORDOVAN素材にも、種類があり、それぞれ特性が異なっていますので、種類ごとに多少対処が異なることは、しっかり前提条件として認識しておいていただければと思います。

実は、コードバン財布(水染めコードバン、オイルコードバン)の艶を曇らせてしまう一番の原因(人為的)が

*不必要なタイミングでのクリーム&ワックス使用

です。

特に「水染めコードバン」において、クリームやワックスの使用が革表面の艶感を無くし、「曇り」の原因となります。

2)コードバンの毛羽立ち

コードバンは特殊な革で、革表面にCORDOVAN層が露出した革繊維構造を有しています。

それゆえに、長年使用していく中、表面の革繊維が細かく千切れて「革繊維の毛羽立ち」が生じることに。

CORDOVANは緊密性の高い革繊維によって自然な艶感が作られています。そこに「毛羽立ち」が目立つようになると必然的に艶が衰え「曇り」が生じてくるのです。

3)コードバン表面の細かなキズ

前項の「毛羽立ち」と同様の仕組みとなりますが、コードバン財布の表面に細かなキズが沢山付くことによって、艶感が徐々に喪失することとなります。

何のために、コードバン専用クリームが存在しているのか?!

それでは、なんのために「コードバン専用クリームが存在しているのか?」と思いますよね。もちろん、それには、きちんとした理由が存在しています。それが

革表面の「毛羽立ち」によってCORDOVANの艶感が失われてきたときに、艶を回復させるために専用クリームを活用する

ということです。

基本的には、数年財布を利用・・革表面の「毛羽立ち」が感じられるようになったときのみ「コードバン専用クリーム&WAX」を使用したお手入れを行うこととなります。

「コードバン専用クリーム」の落とし穴。オイルコードバンに使用不可なものも。

要注意事項として、ぜひ覚えておいていただきたいことが一つあります。それが・・・

「コードバン専用クリーム」との表記があったとしても、オイルコードバンには使用することのできない商品が存在している

ということです。

オイルコードバン(シェルコードバンなど)は、もともと革繊維内に多くの油分を保持しています。その繊維内に含まれている油分(オイル)とお手入れに使用するクリームなどに含まれている油分との「相性」が問題となるのです。

相性が悪いと、化学反応などによって、革表情・色彩の変化及び艶の消失が生じることに。

コードバン財布のお手入れにおすすめのクリームとは?!

CORDOVAN素材は、デリケートな特性を持つ革素材のひとつです。ゆえに、コードバン財布のお手入れに使用するクリームとしては、「有機溶剤を含んでいない、天然成分にて作られているもの」であることが、大切なポイントとなるものと考えています。

正直、様々なお手入れクリームが存在しています。仕上がりとしては、大した差はないと感じる商品も少なくありません。

ただ、私が実際に使用してみて(比較)、「安心感」を得ることができたアイテムはわずか。現在、私が活用しているクリーム&WAXが下記です。ご参考となりましたら幸いです。

水染め(アニリン染め)コードバン財布におすすめの「LEDER OGAWA CORDOVAN CARE WAX」

LEDER OGAWA CORDOVAN CARE WAX

●素材:岐阜県産の純粋蜜蝋、アルガンオイル、ホホバオイル

世界有数の水染めCORDOVAN(アニリン染めCORDOVAN)を創出しているフィニッシャー(染色仕上げ専門)「レーデルオガワ(LEDER OGAWA)」が独自開発した水染めコードバン専用ワックスです。

水染めCORDOVANのことを最も知り尽くしているレーデルオガワが厳選した「天然素材」のみを使用している・・・安心感に満ちたケア・アイテムと感じています。

オイルコードバン財布におすすめの「Collonil シュプリームクリーム デラックス」

Collonil シュプリームクリーム デラックス

●素材:シーダーウッドオイル ラノリン フッ化炭素樹脂

世界的に最も多く活用されているCORDOVANお手入れ用クリームが「Collonil シュプリームクリーム デラックス」です。

オイルコードバン(シェルコードバン)だけでなく、水染めコードバン(アニリン染めコードバン)にも利用可能なケア・アイテムに。複数のコードバンアイテムを有している人には、こちらCollonil シュプリームクリーム デラックスがおすすめに。

財布の中央部に「毛羽立ち」が目立ってきたら、コードバン財布の買い替え時に!

コードバン財布の「端部」であれば、まだ問題はありませんが・・表面中央部に、「毛羽立ち」が目立ったきたなら、財布の買い替え時期です。

CORDOVANは、同じ方向に革繊維が揃っていますので、財布の中央部分の毛羽立ち(革繊維の断裂)が多くなってきた状態というのは、財布の強度・耐久性が衰えたことの証となるもの。

使えなくなってしまう前の程よいタイミングで財布の買い替えをしておきたいものです。

また、ラウンドファスナー長財布にて、「ファスナーの不具合」が生じたときは、「修理or買い替え」の判断が必要に。こちらの記事『革財布の”ファスナー”が壊れた時。”修理か?”or”買い替えか?”』をご参考にしていただければと思います。

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